お口に関する疾患を外科的に治療します
虫歯、歯周病以外のお口やあごなどの領域の診察・手術を行っています。
親知らずを代表とする歯茎、骨に埋もれたままの歯
歯が生えてくる時期を過ぎても歯茎の下、もしくはあごの骨の中に埋まっている歯を埋伏歯といいます。
完全に歯が骨の中に埋まっているものを「完全埋伏歯」、歯の一部が外に出ているものを「半埋伏歯」もしくは「不完全埋伏歯」といい、歯が生える方向の異常やあごが小さく歯の生えるスペースが無いことが原因となります。
乳歯が生える過程で埋伏することもありますが数は少なく、親知らずの埋伏が最も代表的です。
もし、埋伏歯をそのまま放置した場合、下記のような弊害が考えられます。
埋伏歯の治療
歯の埋伏が起こることにより他の歯を押して歯並びをずらす、歯茎と干渉して炎症を起こす、などの症状が出ている場合治療をする必要があります。
基本的な治療方法としては抜歯になりますが、骨の深い位置に埋伏している場合は経過観察を続ける場合もあります。
埋伏歯の一部を露出させ矯正装置を用いて正しい位置に誘導する治療をすることもあります。
痛みがある患者様には早急な歯科医院での治療をお勧めいたします。
親知らずの埋伏
10代~20代で歯の一番奥に生えてくる歯のことを親知らずといい、「智歯」「知恵歯」ともいいます。
現代の日本人の顎は小さく、親知らずが生えるための十分な隙間がないため歯茎の中に埋伏する、横向きに生えるなど正常に生えてこないことが多々あります。
横向きに生えてしまうと他の歯を押して全体的な歯並びをずらしていく可能性があり、この場合痛みを感じるようになります。
親知らずの埋伏の一例
親知らずが横に生え、他の歯を押し出して歯並びに影響しています。
2008年
2013年
親不知が横に生え、隣の歯と接触をしている状態になると食べ物のカス等がたまりやすくなり、虫歯、歯周病になりやすい状態が形成されます。
生える場所も歯の一番奥なのでメンテナンスが行き届きにくく、治療を行ったとしても再発する可能性はかなり高くなります。
きれいに生えて他の歯や歯茎に影響がない場合はわざわざ抜く必要はありませんが、周囲の歯に悪影響を及ぼしている場合、または噛み合わせに問題が起こっている場合には治療のため抜歯をする必要があります。
強くぶつけるなどして起こったあごの骨の骨折・歯が外傷を受ける・お口の中およびその周りの裂傷を治療します。
安静にしていれば数日から1、2週間で治療します。
歯が抜けかかっている状態です。
細いワイヤーなどで歯を固定することにより治療ができます。
歯が完全に抜けてしまった状態です。
歯を骨に固定している組織(歯根膜)が生きている場合は元の位置に歯を差し直すことにより元通りになる場合があります。
歯に亀裂が入る、もしくは折れた場合です。
歯の上の部分が折れる、欠けるなどした場合は詰め物で修復をしますが、歯根から折れている場合は抜歯の必要があります
歯が歯槽の中にめりこんだ状態です。
歯科医院の処置で元の位置に戻し、固定をすると治療できる場合が多いです。
お口の中およびその周りの裂傷
皮膚や粘膜への外傷です。
すり傷、裂傷、舌や粘膜を噛む、などにより起こります。
治療方法としては止血、必要があれば縫合を行います。
感染症の対策として抗生物質を服用する必要もあります。
お口の中で形成された病的な袋状のものをのう胞(嚢胞)といいます。一般的にはこの中には液体の内容物が入っています。
原因は虫歯が歯の根に感染した場合、埋伏歯が原因となる場合、唾液腺が塞がる、もしくは破れた場合、上顎洞炎の手術後に発生する場合など様々です。
治療方法
基本的な治療法としては、のう胞の摘出、もしくは切開をして膿を出すのが一般的です。
を主な症状とする慢性の症候群です。
治療方法
現在具体的な原因は明らかにはされておらず、薬物の投与、行動療法(歯ぎしり、噛み締めなどの改善指導)マウスピースの装着などの方法で治療を行っていきます。
アフタ性口内炎・ドライマウス・歯科金属アレルギー・味覚障害・舌痛症など口腔の粘膜に肉眼で変化がみられる疾患です。
原因も多岐にわたります。
進行した虫歯、歯周病、親知らずの炎症があごの骨に広がったものです。
炎症の広がり方や部位によってあご骨骨髄炎、あご骨骨膜炎、蜂巣炎など、膿が溜まっている場合は膿瘍という病名になります。
症状としては噛んだ時の痛み、歯の緩み、くちびるの感覚の麻痺などが主な症状です。
また病状が進行すると熱が出て身体がだるくなり、食欲がなくなります。
治療方法
原因となった歯を治療し、抗生物質などで炎症の治療をします。
膿が溜まっている場合は切開を行い膿をだす処置が必要です。
炎症の原因菌は一般的に抗菌剤がよく効くものが多いので適切な処置を早期に行うと重症にはなりません。
お口の中の組織に異常があり組織が腫瘍化してできるものです。
腫瘍には身体のあちこちに転移する「悪性」のものと転移しない「良性」のものがあります。
腫瘍が肥大化をしてくるとお口の機能面に支障をきたすので、早急な治療が必要です。
身体の中で転移を起こさない腫瘍です。
歯が原因でできる腫瘍とそうではない腫瘍がありますが、基本的な治療方法は腫瘍の切除となります。
身体の中で転移を起こす腫瘍です。
口腔がん、悪性黒色腫、悪性リンパ腫などがあり、無治療のままですと全身に転移をする可能性があるため早期に診療を受けて頂くことが大切です。